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映画プレビュー?『SING』


映画『SING/シング』特報映像


 先週、同じ映画を2回も観に行った。ただし吹き替え版と字幕版という違いがある。映画のタイトルは『SING』。
 人間に似たような世界に住んでいる動物たちの、とある劇場での素人たちの歌オーディションから始まるストーリー。
 2時間にも満たない上映時間の映画なので仕事帰りに観るには程よい長さだ。


 私が今回この映画を2回も観たのは、仕事の人間関係でむしゃくしゃすることがあり、気分転換しようと思ったからだ。吹き替え版を観て気分転換した2日後に、さらにむしゃくしゃすることがあり、レイトショーで字幕版を観て帰った。
 そんなに気分転換になる映画かと言われたら、そこは保証しかねるけれど、少なくとも私にとっては、映画館の大音響で懐かしい、そして大好きな曲も使われている映画を全身で感じる時間は気分転換になった。


 元々この映画に興味を持ったのは、私が長らくファンでいるスキマスイッチの大橋卓弥くんがゴリラのジョニー役だと知ったからだ。映画で大橋くんの歌声を聴いてみたいという単純なファン心理が大きな理由だ。
 実際、ストーリーそっちのけで、ジョニーが街角で歌っているシーンだけでぞわっとした。ファン心理というのはすさまじい。もう大橋くんの歌声だけでその日の嫌な気分が吹っ飛ぶのだ。
 いつもライブで喋る大橋くんの声は聴きなれているはずなのだが、ジョニーが喋るシーンで(ああ、大橋くんはとても優しい繊細な声をしているなぁ)と気付いた。声はキャラクターに命を吹き込む大切なものだと、あらためて気付いた瞬間だ。


 そうなると、今度は気になり始めるのが字幕版のジョニーはどんな声になっているのだろう、ということだ。歌声はYouTubeで聴いているが、声はどうなっているんだろう?ほかのキャラクターはどうなんだろう?


 私は日ごろは映画は字幕版しか観ない方だ。テレビで海外ドラマを放映する時も極力副音声に字幕を表示して観ている。なんとなくその国の言語そのもののニュアンスで観たいというこだわりが働いている。
 だが今回は完全に「大橋卓弥くんのファン」という立ち位置だったので吹き替え版が大本命だった。日本では吹き替え版の方が人気が高いらしいが、私と同じように「スキマスイッチのファン」だとか「長澤まさみのファン」だとか「MISIAのファン」だとかが観に行っているからだと思う。
 でも吹き替え版を観ると、(スカーレット・ヨハンソンの歌声はどうなのかな?)と気になり始める。うまい仕掛けを作っていると思う。
 まあ1回映画館で観たし、字幕版はDVDで観たらいいか、と思っていたのだが、またしても職場で今度は前回よりももっとむしゃくしゃすることがあり、(こうなったらスカヨハの歌声を聴いて帰るぞ)となったわけだ。


 しかし字幕版と吹き替え版では、やはり細かいディティールの理解がずいぶんと変わるものだ。字幕版で見聞きしていると(ああ、そういう意味だったのか)とか(ずいぶんと意訳しているんだな)と気付くことが多かった。ストーリー展開としては字幕版の方がやはりわかりやすい。


 そしてキャラクターの声。声が違うとこんなに印象が変わるのかと思ったのは、やはり歌手がアフレコをしているキャラクターだった。ゴリラのジョニー(大橋卓弥)、ゾウのミーナ(MISIA)は、字幕版ではずいぶんとイメージが違った。声優たちはさすが、と言うべきか。歌声にしてもキャラクターにしても、吹き替え版と字幕版とでキャラクターのイメージが大きく変わることはなかった。声優たちは日ごろからアニメの中で歌うことも多いせいか、本当にキャラクターのまま見事に歌い切っていた。
 女優の長澤まさみも歌がうまかったけれど、歌声はスカヨハの方が好きだったけれど、キャラクターのイメージは大きくは変わらなかった。やはりそれぞれ演じることのプロフェッショナルはすごい。
 MISIAに関しては、やはりキャラクターの声としては弱々しすぎる印象だったが、歌声はトリー・ケリーもMISIAもどちらも良かったと思う。
 歌のシーンはやはり歌手の歌手たる所以を見た。


 ※ここからは完全にどこまでも限りなく一スキマスイッチのファンの主観です。
 しかし、ジョニーの歌声に関しては。やはり。それはもう。断然に。大橋卓弥くんの歌声は素晴らしかった!ジョニーがコアラのバスターに「生まれながらの歌手」と評された通りの歌声は、俳優のタロン・エガートンの歌声では物足りない。歌のシーンは、やはり歌手の方に軍配が上がる。ほかのシーンでは、たしかにジョニーはタロンの声の方がギャングの息子という設定にぴったりくる。大橋くんの声はちょっと繊細過ぎる。だが歌は!歌声に関しては!
 
 そんなわけで、私は少しストレスを解消することができた。
ついでに言うと、ブタのグンターを日本ではお笑い芸人のトレンディエンジェルの斎藤さんが演じていたが、キャラクターは字幕版と違和感は全くなかった。
 なんで斎藤さん?!という声もあるようだが、私はお笑い芸人の幅の広さにちょっと感心した。グンターは斎藤さんで正解だったように思う。


 プロフェッショナルは本当にすごい。これは両方観たからこその気づきだ。
 むしゃくしゃが多い週だったけれど、こんな気づきにつながったから、まあ良しとしますか。
(ただいまのBGMはスキマスイッチです。)