雨の日のくじらコーヒー

好きなことをぽつりぽつり。

ひとりでなんでもできるもん。

 おひとり様ということばが登場したのはどれくらい前だろう。とても便利で心強い言葉だ。
 女性の一人旅もそれ専用のプランが提供されるようになっているし、おひとりさまカラオケなんてのもあるし、ラーメンだって一蘭のような一人ずつの仕切りのあるテーブルシステムであれば一人ラーメンのハードルはかなり低い、というかハードルなんてないに等しい。(まあそんなシステムがなくても私は行くのですが。)最近は一人焼肉なんてのもあるので、焼き肉だって一人で食べられる。良い時代になったものです。


 かれこれ20年くらい前から私は一人で海外旅行にも行くようになっている。20年前はそうは言っても現地で生活している友人を訪ねていくというスタイルだった。それが完全に一人旅になったのは、結婚して離婚して、がむしゃらに頑張って生活が成り立つようにして、ほっと一息ついたときに「そろそろ海外の空気が吸いたい」と思った時だから、ほんの10年くらい前だと思う。
 それ以降、コンスタントに海外旅行に出ている。もともと大学も語学系の大学で、「夏休みは海外に出るのが当たり前」な文化のある大学だっただけに、海外に出ないで一年を過ごすというのはなんともお尻が落ち着かないという変な条件付けをされてしまった。


 先日、とあるサイトを見ていた時に、「ひとりでやるのに抵抗があるものランキング」みたいなものを見かけた。それによると、当然一人海外旅行は無理という女性が多いのだが、国内一人旅行も無理だったり、一人映画館、一人美術館も無理となっている。
 どうして?!映画館も美術館も一人で行くのが当然のように思っていた自分の価値観が大きくずれていることに気付かされた瞬間だった。


 もちろんこの統計のデータベースになっている女性たちはバックボーンが同じような女性たちなのかもしれない。「彼氏と一緒がいいよね」という誰かといることが好きな女性が多かったのかもしれない。だから価値観が違うことにそれほど衝撃を受ける必要もないかな、とも思ってはいるのですが。


 女性一人でなんでもできる時代になったようで、まだ自分の中にハードルや壁みたいなものを作って挑戦しないことって多いかもしれない。それは自分が作っているハードルであって、決して外圧的なものではない。


 もちろん、一人でフレンチコースを食べに行くと、ほかのお客さんから見えないような店の隅っこで、ちょっと大きな植物の後ろ当たりの席に案内されて、(こんなにたくさん席が空いているのに、この扱いはひどくないかしら?)と思わされることはあるし、一人で海辺で夕日を眺めていたら、自殺志願者と間違われて警察を呼ばれたことだってある。
 でもそういったことはあるけれど、私は自分の好きなことをする時間をやめようとは思えない。
 だいたい誰かと一緒にできる日を待っていたら、いつできるかわかったものじゃない。
そんなのを待てないくらいに私はわがままでマイペースなリズムを一人になって身に着けてしまったようだ。


 制限を作らないこと。それが今の私の人生の大きな柱。


ちなみに、次の挑戦は、一人水族館。
海外旅行よりも後の挑戦になってしまいましたが、近々行こうと思います。